スポーツなどで大合唱するニッポン！ニッポン！ニッポン！
私たちの国名『日本』。生まれたときから自然と当たり前にあるものだけど、この名前の由来や語源ってなんだろう？いったいいつから使っているのか？
はるか昔、先史時代は日本は字を持っていなかったため、国名を日本人がどのような名前で自国を呼んでいたかはわからない。
それから時が進み、2000年前ごろから、当時アジア世界の中心であった日本から中国に朝貢をした形跡が見え始め、中国や韓国の沿岸部に侵略などがあった記述がでてくる。そこには有名な邪馬台国や伊都国などが出てくるが、日本全体を指す国名ではない。
中国には『正史28』というものがあり、その中の『後漢書』や『三国史書』などには『倭人伝』として初めて名前が出てくる。後漢の班固(32-92)が撰んだ『前漢書』に「楽浪の海中倭人あり、分れて百余国となる、歳時を以て来り献見すという」とある。日本は外国からは『倭』と呼ばれていた。
本題の倭の意味は諸説あるが、倭には柔順の意味があり、『前漢書』に「東夷は天性柔順、三方の外に異なる」とある。中華思想の中では東方にある日本は『東夷』、匈奴や鮮卑など北方は『北狄』、キングダムに出てくる楊端和率いる山の民は中華の西に位置し『西戎』と呼ばれ、チベット族やトルコ系。東南アジアなどの南方は『南蛮』。ともに蔑称ではあるが、『和』という名が今でも使用されてるのを考えると、特に悪い感じはしないのではないだろうか。
ただ、歴史上ある時期に『倭』から『日本』に変わったわけで、やはり対外用になにかしらの理由で国名の変更を考えたのだろう。
誰が？いつ？なんで？
倭の名前が出てくる1~2世紀から時は過ぎ、中国では唐の時代。945年に完成した『旧唐書』になんと『倭国伝』と『日本国伝』とある。
「日本国は倭国の別種なり。その国日辺にある故を以て、日本を以て名となす。あるいはいう、倭国自らその名雅ならざるを悪み、改めて日本となす」
(日本国と倭国は別種族。その国は日の昇ところにあるので、名前を日本にした。あるいは、倭国という名は雅びやかではないのを嫌がり、日本と改めた)
なんとビックリ。倭国と日本国は別の国だといってるではないか。「日本と改めた」とあるからややこしい。単純に倭国から日本国になったとは言えないのだろうか。
ここからわかるのは唐の618~907年の間に、倭という蔑称を嫌い日本国と改名したということである。
